今

日本で1年間に消費されるたまねぎの量はおよそ120万トン。そのうち、半分以上のたまねぎが道産品です。 北海道の生産量は66万トン、作付面積は12,500ha、北海道では春撒き栽培、他府県では秋撒き栽培となるため、11月~4月までの間、日本人が口にするたまねぎの殆どが道産と言われています。 低温に強く、氷点下でも冷害がほとんど起こらないため、寒冷地での栽培に適していたたまねぎは、札幌で国内初の栽培がはじまりました。

起源

食用として栽培が始まったのは、1871年に札幌で試験栽培を行ったのがそのはじまりとされています。当時札幌農学校(現:北海道大学)で教鞭をとっていたブルックス博士が近隣の農家に栽培方法を教え、1880年に武井惣蔵という人が、農家として日本初の食用たまねぎの栽培に成功しています。

特徴

たまねぎを調理すると目が痛くなって涙が出ます。この特有の刺激臭の正体は「アリシン」という物質です。 アリシンは血中の脂質を減らし、生活習慣病の予防に効果があると言われています。

語源

日本にたまねぎ栽培の種を撒いたブルックス博士が持ち込んだのが故郷・マサチューセッツ州ダンバースで生産されていた「イエロー・グローブ・ダンバース」 後に品種改良が重ねられ「札幌黄」というたまねぎに生まれ変わりました。札幌黄はその後全盛期を迎え、第二次世界大戦前はロシアやフィリピンを中心に輸出品目の目玉となっていたのです。

昭和50年くらいから、病気に弱く日持ちしないという札幌黄の弱点を克服した改良種が生産の主役となり、札幌黄の生産は激減しました。現在では市場でもほとんど流通していません。入手が困難な事から「幻のたまねぎ」と言われています。 しかし肉厚で甘く、やわらかいという札幌黄の特徴から、食材として用いるレストラン等が増え始めています。

札幌黄は2007年8月3日「食の世界遺産」と言われるスローフード国際本部(イタリア)の「味の箱舟」(注)に認定されました。地元・札幌でも札幌黄を守るために、様々なプロジェクトが展開されています。

※注「味の箱舟」とは地方の伝統的かつ固有な在来品種のうち、消えてしまう可能性のある希少な食材を世界的な基準のもとに認定し、地域における食の多様性を守ろうというプロジェクトです。